中国に来ています!

大手メーカーとの協業で中国に来ています。

熱分析装置「Leibniz」による溶湯分析、フラックスの効果検証と最適添加量の調査。溶湯管理方法の提案、溶湯の評価方法の指導。機械的特性評価試料の作成と加工方法の指導、その不良品の対策案を提案するなどしています。

「遅れている」や「ガラパゴス」等と言われることもある日本。一方で倫理観、おもてなし精神はすごいんだと誇張されている分野もあります。

例えば日本のタクシー。サービスは良いのかも知れませんが、おもてなしは求めていなかったり、ドライバーさんによって当たり外れはあります。欧米ではUber、東南アジアではGrab、中国ではDiDi。最近はUberよりLyftが良いという評判もあるようです。運転が安全だったかはドライバーの評価を見て選べますし、いろんな市販車に乗れる楽しみもあります。

さて今回の出張でさらに中国のスピードが増していることに気づきました。例えば名刺交換。まだ名刺のやり取りをする人はいますが、WeChatの連絡先交換でフォーマルな挨拶は完了します。他にも、注文書も領収書もチャットでやりとりするようになってます。PCの前に座っていたのでは遅いのでチャットで仕事が進んでいます。

「日本は日本のやり方があるから」「国の政策が違うから」ということも原因(言い訳)の一つですが、競争に負けてしまうならばそのやり方に意義を見つけるのは難しいようにも思います。

本題です。我々鋳造業界で他国からどう見られているか、感じたことをここで共有します。

残念ながら「日本の鋳造は遅い」と評価が定着しているようです。やるかやらないか回答が遅い、試作が遅い、納期も遅い、、、。日本に対応が速い会社はないのかと探している時期もありましたが、既に日本に鋳造依頼はしないと決めた会社も多数あります。

日本が中国や米国の速さについていけないその原因は、自分ごととして探究する能力や組織風土、スピードではないかと思います。つまり、中国の企業の人達は新しい知見に貪欲でお抱えの技術顧問の話だけが通るような事はなく、外部から来た技術者や営業マンからも話を聞き熱心に質問します。

そして行動が早い。すぐにテストをして、取り入れるかどうかをすぐに判断します。元来日本人技術者もこうだったはずなのですが、なかなかテストまで進まないことが多いですね。自分の考えること・決めることではないからや、部門間の責任の所在について望んだストーリーにならないからと変えない・変わらないことを選択している様子に見えます。

新しい知見や新しい装置をテストせず同じ不良に悩み続ける日本。自分達は後塵を拝していると認識しなければ

他国との距離は開くばかりです。今年のGDP予測では日本がドイツにも抜かれて4位に転落したそうです。数年でインドにも抜かれるでしょう。4年ぶりに中国に来て、距離を更に感じました。